
この参考回路の記述が正しいのだが、プリントパターンを確認したところ、受光素子から出力される信号が逆相で接続されているようだ。 ミスの原因は、回路構成とデバイスの選択を2重に思い違えていたことで、その所為で不毛な作業を繰り返すことになってしまった。
まず、使用しているデバイスを勘違いしたのが最初のミスで、adat規格に対応できる通信速度を検討した結果、アナログレシーバーを選択していたのが、

HFBRのアプリケーションノートに記載されていた「遅い方のTTL出力のモデルを使った通信回路」を勘違して参照した結果、基盤の配線を間違えることになった。

HFBR系のデバイスは似たような型番のモデルのピン配置が2番と6番で反転するという非常に嫌らしい設計で、まずはこの罠に嵌まった形になるのだが、自らの注意不足は否めない。
次に、実際に使用しているデバイスの刻印を読み間違えるという、またしても信じられないミスを連発した結果、折角修正を行った基盤を元の間違えた状態に戻すという無駄な作業を行い、それに気付いて再修正を繰り返すという作業に2時間余が費やされることになった。
失敗の最大の原因は、プロジェクトを放置した結果の忘却にあるので、記憶が鮮明なうちに修正を行うことにした。

配線の修正箇所は、受光素子の出力・2番ピンからクオンタイザーICの入力・4番ピンにコンデンサを介して接続している部分で、修正が可能なプリントパターンだったことが幸いしている。

配線が直線的で単純なシェイプになった分、微々たるものではあるが修正前よりも信号の通りが良くなる筈だ。

実際に配線をやり直した箇所は写真中央の4x2のランドの部分で、表側と裏側の誤配線をルーターを使って切断した後、裏面から極細のワイヤーで修正を行っている。
それにしても、受光素子の出力を受けるICが「量子化器」とは物々しいネーミングだ。
実は、同じ間違いをテルミンのオーディオ基盤でもやらかしているのだが、

こちらはそもそも「DACが使えない」という笑えない話になっている。 赤が追加発注を行った修正版。
ヤバいのは、この過程を経てもなお「間違いを間違って記憶していた」ことで、中期記憶の減退を感じてしまう。