2016年08月04日

MbiraskiMilitaria@チタン・トップの削出しを行う

数年ぶりにチタン板を削った。 

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予め、丸ノコをノミ代わりに使って大雑把に凹部を切削すると作業が捗るのだが、チタン加工時に発生する「火花」に注意すること。

次に、ダイヤモンドルーターを使ってシェイプの整形を行っていくが、電動工具の振動は指に悪いので頻繁に作業を行うのは避けるべき。

作業の過程で酸化処理された表面に小キズが付いて仕舞ったが、ガムテなどで予め保護を行った方が良いだろう。 ただし、切削時に使用する潤滑剤との兼ね合いで作業効率が劇下がるので、いっそのこと木材等で作った治具を使うのが正解か。

面をサンディングで整形した後、炎で炙って色を付けて完成。
posted by Yasuski at 16:20| mbiraski/electricThumbPiano

2016年08月01日

ID-292の固定ファスナーを着脱式に改造する作業の備忘録

取り外したヒンジの蓋側にはρ型の金具が取り付けられているので、これの閉じた部分にハンマーでマイナスドライバー等を打ち込んでループをこじ開けていく。

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作業は、ファスナーのワイヤーを万力台座に固定して行う。 閉じた部分の両側からインパクトを与えてループを開放する。 開いた部分がどうしても荒れるので、後ほどここにヤスリ掛けを行い歪みを整形した後に焼入れを施して防錆処理とする。
posted by Yasuski at 17:27| mbiraski/electricThumbPiano

Mbiraski@ID-292/MilitariaTiの製作

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放置していたID-292ベースのMilitaria(チタントップ)にセンサーとプリアンプを仕込んだ。

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プリアンプは5V運用を前提としたOPA2350を使用。 二次電池には携帯電話用のリチウムポリマータイプを採用している。

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今回は、センサーに周波数特性6Hz〜20kHzの広帯域型MEMSを採用。専用基板に実装したセンサーには3.3Vの安定化電源回路を組み込んである。

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アルミトップとチタントップの2台は楽器としての性格が大きく異なる。 アルミトップにはピエゾフィルムセンサーが実装されているが、ステレオのセパレーションが良く音質はソリッドな印象。 対するチタントップはMEMSのマイク寄りの性格と、振動を殺さないチタン板の特性故か左右のセパレーションが甘い反面、楽器的な響きが豊かだった。

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posted by Yasuski at 06:52| mbiraski/electricThumbPiano

2014年05月14日

Mbiraski@専用ブリッジの解説

Mbiraskiを構成する専用ブリッジ開発に関する備忘録。

最初に構想したブリッジの基本構造は単純なもので、ベースプレートとなる銅板に穴を空け、裏側から木工用のスタッド・ブロックをスクリューで固定する方式だった。

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スタッドには横穴が空けられていて、そこに自転車のスポークを通す。スタッドはブレード毎に独立したブリッジとなる。スタッド上面のネジ穴から、M3ネジを使ってスポークをカシメることで、チューニングを固定する構造となっている。  この方式の利点は、、、

1)ベースプレートを使用するので、従来の楽器に比べて木材部分に不要なテンションが掛からない。よって、木材の材質や薄さの選択肢が広がる

2)チューニングの固定をM3スクリュー1本で行えるので、ギグの最中でもカリンバの転調が可能となった

3)ベースプレート(サドル・ブロック)下にピックアップを仕込めるので、音量のロスが少ない

4)ブレードの配置を二層レイヤー化することで、実装出来るブレードの数を増やせる

といったものだった。

残念ながら要求された工作精度が高すぎたために、この方式での製作は敢えなく失敗することになった。ただ、幸いにもチューニングの容易さや、サドル・ブロック製作の合理性を、この試作機で実証出来たので、その経験を生かしつつブリッジのデザインを根本的に考え直すことになった。 試作した独立タイプのブリッジからは、後にMbiraskiTrilobite等の小型モデルが派生している。

結局ははCADに頼ることになるのだが、マンパワーを圧縮するにはこの方法がベストといえる。

設計の手順は、まず試作機の実験で得られた経験値からブレードの間隔やレイヤーの深さを決定し、その数値を元にモデルを組み立てていく。

試作機では、ブレードの弾く方とは逆の「カウンター」に当たる部分から意図しない倍音が発生していた。この面白い現象も設計に採り入れることにした。

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二層化された支持部はブリッッジ上部にそれぞれ固定用のM3ネジ穴を持つ。前段に設置されるブレードのため、ブリッジ後部にはブレードの直径より少し大きめの穴を開けてある。

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ブリッジ本体はM3ネジ4本で楽器ボディー(単板もしくは箱)に取り付けられる。当初は横穴の径をタイトにしすぎたので、穴開けをやり直す必要があった。 チタン・スポークを使用する場合は2.1oが最適なサイズとなる。

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ピックアップの実装をブリッジ直下に行えるので、振動の取りこぼしは従来のカリンバ系ピックアップより少なくなる。また、このデザインはノイズのシールドやライブで使用する場合の耐久・安定性という面で有利だ。

ブレードを実装した状態を示す。

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ブレードのカウンター部分の振動から、リヴァーブのような効果が得られる。

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posted by Yasuski at 10:16| mbiraski/electricThumbPiano

2011年02月24日

Mbiraski/WoodBody

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今回は、手の小さな人向けに、筐体の厚みを薄く、角に大きなRを付けたデザインを採用。

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AnalogDevices製MEMsセンサー、ADMP404を使用している。

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振動ピックアップ用のセンサーは、ブリッジ直下に取り付けられたL型金具にセットする。

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仮組みした函と、格納用のソフトケース。

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アウトプットは、Hirose/6pinとヘッドフォン端子。 左側の充電端子には、専用ケーブルを使ってUSB端子から5Vを入力する。

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中央の目玉スイッチには、LEDが封入してある。

MbiraskiTest02.aif

ライン録音したAIFFファイル。



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posted by Yasuski at 23:35| mbiraski/electricThumbPiano