体感的には、朝イチと昼過ぎと日没後に調整が必要になる感じで、その間に発生した室温のドリフトは10℃位か。何れの場合もチューニング機構がアウトレンジすることはなく、修正に要する回転角はその都度45度程度(バラクタの容量変化カーヴが対数なので、VRの機械的な動きはアテにはならないが)に収まっていることから、深刻なレベルの変動は発生していない模様。
楽器から発音される音階は元の周波数変動から拡大されているので、オシレータそのものの安定度はそこそこ稼げている感触がある。
より深刻度の高い周波数ドリフトは、アンテナに指が接触した際に発生する。 ドリフトが収斂するために費やされる時間は数分程度で、その間ノブによる修正は可能だが、ドリフトが収斂するまでは常にチューニングを余儀なくされてしまうのが問題だ。
透明な熱収縮チューブ等で絶縁することが好ましいが、結露の問題が発生するかもしれない。アンテナをエポキシ樹脂にドブ漬けするのも一つの案だ。
一方、チューニングを行うVRを含めたバラクタ周辺の特性にも考慮する必要があるが、VRから供給される制御電圧には200kと4.7uFで時定数が組まれている。
ツールで計算した結果、カットオフは0.1Hzとなったが、

ここからゆっくりと放電が開始されると解釈すべきで、放電が完了するのは8.6秒後となった。

Cを0.1uFに設定した時のリザルトは

0.2秒程で、こちらの方がVRのレスポンスに優れる。

つまり、現状ではCに溜め込まれた電荷が放電を完了するのに8秒強掛かっているということで、修正を行ったつもりがラグを計算に入れると別の方向に狂いが生じてしまうことになる。