2019年08月20日

試験中のID-292がまたもや吹っ飛んでしまう

ID-292版の動作を確認した。

以前テストした時に動作しなかったのはDACのアサイン・ミスと、ケース内で発生していた回路の短絡が原因と思われる。

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問題は、Pitch側ディテクターの動作不良で、これはハードウエアの問題と思われるがオシレーターそのものは正常に動作してる模様。

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つまり、発振器からMCUのFTM入力の間にある、波形整形回路もしくはディテクターのD-FF周りに不具合があることになる。

あと、Volumeポットの回転が軽過ぎて使い難い。 動作を安定させるためには、何らかの形で物理的なウエイトを付加する必要がある。

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その後、試験中のID-292がまた吹っ飛んでしまったが、これで電源周りの設計に根本的な問題が潜んでいる可能性が濃厚になった。

オシレーター周りは別電源に設計を変更していたので、電圧は正常値だった筈。 問題はオシレーターとは別に3.3Vで動作している回路にあるのだが、過去の経験からトラブルが発生し易いと思われたレベル変換ICを今回は実装しておらず、原因を特定することが出来そうにない。

やはり、部品の物理的な配置に無理があるのだろうか。 ID-292サイズの基盤は事故が多発しているので、次回試作する場合はZDを安全装置として追加した方が良さそうだ。

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設計に無理があるID-292版は損失が嵩み過ぎる。そろそろ廃盤を考えるべき潮時なのかもしれない。

後日、pin#11/19/36に過大電圧が入力されたことによる破損が心配されたMCUをテストしたところ、幸運にも端子は死んでいなかった模様。
posted by Yasuski at 00:00| LaVoixski

2019年08月18日

グリッチの抑制とFTM/Detector周りの改装等

先日、テルミン奏者に楽器を試してもらったところ、左手が素早い動きを行った時にグリッチが発生する問題を指摘された。

グリッチは、左手の動作に追従できずに発生したEnvelopeデータの不連続面が原因と思われるが、これが特にピッチが低音の時に悪目立ちしてしまう。

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波形を拡大していくとよく判るのだが、サイン波の上に細かなパルスが乗っかっている。

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入力した信号は極低周波を再生した時のもので、人間の耳に聞こえているのはグリッチのみ。

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グリッチが発生する直接的な原因は、疎になり過ぎたデータによるものだが、アナログオシレーター側にも原因がありそうだ。

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プログラム側では対症療法を行うしか無さそうだが、実験の結果、フィルターの値を小さくすることで発生を抑えることが出来た。

ただし、グリッチの抑制と左手の反応速度はトレードオフの関係にあり、実験で最適値を探っていくしか無いのだが、これがなかなかに難しい。

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試行錯誤の結果、それっぽく動作するノイズサプレッション機構をなんとか完成させることが出来た。 前述したように、グリッチの抑制と左手の反応速度はトレードオフの関係にあるが、グリッチの発生は特に極低音で目立つことから、出力音程に閾値を設定して閾値以下の周波数を検知した場合によりハードなサプレッションを行う仕掛けを思いついた。

閾値の設定は好みなので出来ればユーザーによって調整できれば良いのだが、パラメーターの配置が難しいのとインターフェイスの構造が煩雑になることから、今のところ機能の実装は行っていない

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フィルターの初期設定は暫定だが、折衷案としてこれらの値に収まっている。

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作業の過程で、FTM周りの設計を大幅に変更して無駄な条件分岐やオーディオクロックのアップエッジで計数を行うローカルカウンター等を一掃することになった。 オーディオクロックのタイミングに関係なくFTMのデータ取得確定フラッグの立ち上がりで即レジスタにデータを取り込む形に構造を単純化している。

冷静に考えるとフリーラン状態で計数を行うFTMがデータを取得するサイクル(入力によってトリガー発生の間隔が変動する)とWavetableを読みだすオーディオクロックのタイミングは周波数の桁が違ううえに、そもそも同期を行う意味がなかった。

グリッチ音の発生には良い面もあって弦にピックがあたるあの感じが図らずも再現されている。これは作ろうとして出来上がったものではないのだが「ギターっぽいテルミンが作りたかった人」にとっては行幸といえる産物だった。

ただしこれは低音でスローな演奏を行いたい人には邪魔になる音で実際に意識してみるとあまり気持ちの良いものではなかった。そこで折衷案として思いついたのが低い音を演奏した場合にエンヴェロープがスローギア化するこの機能なのだ。
posted by Yasuski at 21:55| LaVoixski