2018年08月26日

ディストーション回路とレベルシフター回路についてのまとめ

全出力のステレオ化に対応するため、テルミンの歪み系音源のバイアスを調整するスイッチ、及びアッテネーターの設定を変更した。 この機会に備忘録を兼ねて、オーディオ回路終段に追加したスイッチ周りの回路を解説する。

現状は、D2がディストーション系信号経路のレベルシフトを、D13が通常回路のレベルシフトと、ディストーション回路のバイアスシフトを同時に行う仕様で、

WS001430.JPG

ディストーション回路で行うバイアスシフトは、バイアスポイントをグランド電位まで下げることで下半分の波形をクリップする機能を持つ(*注1)。 

vlcsnap-2018-06-19-18h23m38s648.png

要するにこれはディストーションをオンにするスイッチと思えば良い。(*注2) 

バイアス電圧を変更できるディストーション回路は、全体の音質が過度に歪みっぽくなるのを避けるためにメイン出力2系統のうち1系統に限定されている。 オーヴァーロードモードで波形を加算した場合はD/Aを行う前の段階でソフトなディストーションが発生している。

通常レベルの信号を出力する側にオーヴァーロードモードの信号を分配した場合、レベルが過大になって出力のバランスが崩れてしまう。 これを回避する為に使用するアッテネーターがD2によってコントロールされている。

今回行ったスイッチング項目の追加はあくまでも暫定的な処置で、実のところは全アドレスのステレオ化に伴って細かな齟齬が出てきている。 レベルとパンニングの状態に関しては、今一度測定器を使用して精査を行う必要がある。

注1: これは基板製作時のポカミスで、アッテネーターの受けにしていたバッファーアンプのバイアス抵抗をグランド電位に接続していたことに端を発する機能で、エキサイターのハーフウエーブクリッピング機能に近い。バイアス電圧に接続を修正したら好みの音質から外れてしまった。

注2: 波形を見て判るように、グランド電位でバッサリと切られてしまういささか乱暴な仕様なので、回路にダイオードクリッパーを追加してソフトニーを与えられないか検討している。

ダイオードクリッパーの効果を見極めるために、LTspiceでシミュレーションを実行した。 

WS001437.JPG

バイアス電圧は1/2VCC固定。オペアンプの非反転入力端子から抵抗を介したダイオードクリッパーをグランド電位に接続している。 シミュレーション開始後にバイアスポイントが0V側にドリフトしていく過程が良く判る。

シミュレーションの結果を出力した音声の記録。


diodeClipper from yasuski.



映像はクリッピングポイントを可変抵抗で制御する過程を画像化したもの。 実際に入力される信号は波形が複雑なので、効果は更に大きくなる。

この回路は抵抗値を調整してクリッピングポイントを移動できるので、出音の調整をより微妙に行える点が良い。

diodeClipperSch.png

ちなみに、基板の改造は結構手間が掛かるので、次のロット分の改変を行っておいた。

DiodeClipper.png

diodeClipper02.png

diodeClipper03.png

posted by Yasuski at 07:03| AudioElectronics