2018年08月20日

ID-292版のピギーバック化について

ID-292版AddOnBoardのデザインを完了した。

LaVoixAddOnNew.png

対応するロングピンを見つけるのに手間がかかったが、20pin+4pinの組み合わせが最適だった。

基板のシェイプを非対称にしているのは、ピギーバック時のコネクタとのクリアランスを考慮したため。

ボードは、Box形状なpinの使用が前提となるため、既に丸ピンを使って製作した基板にスタックすることは出来ない。 また、MCU側もBox pinを装着した個体のみの対応となるので、今後基板をスタックする場所のコネクタには丸ピンを使えないことになる。

ID-292系は基盤のサイズに制限があるが、ピギーバック化である程度は機能の拡張に対応できる。 この場合、親基板上にはオーディオクロックやADAT系のチップが乗っかるだけで、AddOn側にDACやMCU、Oscillatorの主な機能が移行する。 つまり、Hammond版と似たような構成になるのだが、肝心のオーディオ系をMCUと分離しきれないところに限界がある。 抜本的な改革を行うには親基板側の改装が必要だが、要求される仕様によって実装するパーツを選ぶ場合は、現状の設計がベストだろう。

Oscillatorに関しては、ピギーバック化によってButtler/Colpittsの何れかのタイプを選択できる構成になっているが、片方ずつの機能を選択することで、オシレーター系統の完全な分離を行うことが出来る。 Buttler系に関しては、フロントパネル側に回路を分散させることもできるので、ローカル側でも更なる隔離が可能な仕様となった。

各セクションへの電源の供給に関しては、ノイズキャンセル用のLを各要所に配置してあるので、実装済の回路をアイソレートしたい場合はこれらを取り除くだけで良い。

実際のところ部品の「全部載せ」はなく、事前にある程度機能を絞って部品の配置を行うことになるだろう。つまり、AddOnとはいっても最初から機能の拡張を考慮した状況で、親基板共々取捨選択を行いながらシステムを構築していくスタイルに落ち着くと予想している。

旧式の親基板の使用に関しては、オシレーターとオーディオ系の機能を停止することを前提にした場合、adatを使用しない場合は2代目青基板から、adatを含めた場合はRev4.04の初代緑基板まで遡って転用が可能となる。 問題となるのはオシレーターの選択だが、AddOn基板のColpitts型の使用が推奨される。セカンド・オピニオンとしてトップパネル側のButtler型に機能を分散させる方式が採られることになるだろう。

追記:

基板の2階建てを行う場合、クリアランスを考えて特にMCUを装着するアドオン側の基板にロープロファイルなソケットを使いたいのだが、在庫を漁っていて発見したラッピングタイプのソケットが最適なことを発見した。 ロングピンタイプのソケットを既に発注してしまったのは少し早まった感があるが、ラッピングタイプのソケットはレアなのか結構な値が付いてしまっている。 ロングピンにはMCUのデバッグ端子という使い途があるので、在庫を抱えても問題はないのだが、ラッピングピンの在庫を消化した後はロングピンに移行することになるだろう。 

追記2:

ラッピング・ピンの在庫を大量に発見した、、、。 これも貰い物だったが、在庫管理が適当すぎてイカンなあ。

posted by Yasuski at 17:38| AudioElectronics

テルミン開発に関する方針の転換について

現在行っているデジタルテルミンの開発に関して諸々方針の転換を行いつつあるが、ここで考えをまとめるために記録を行っておく。

まず、基盤のサイズについて。 これは、ID-292という面白いシェイプのケースに収めることを前提にしていること、フリー版Eagleのサイズ制限内に基板のサイズを収めること、この二点により支配されていた。 サイズの制限に関してはKiCad等に乗り換えることでクリアできるが、ID-292は自作テルミンのいわばアイデンティティーのようなものなので、これはおいそれと諦める気にはなれない。

IMG_8153.JPG

が、ここにきて不安定なオシレーターの問題が浮上、現在改良を行うべくシミュレーションを繰り返しているが、設計に課せられるサイズの制限は大きなマイナス要因として働くことになった。 ID-292はシェイプが美しく実装の実績もあるのでこれを捨てる気にはなれないが、これをメインとして考えるのは少々無理に思えてきた。 実際、基板の実装密度も2層ではほぼ限界に近く、これ以上密度を上げることは困難な状態だ。

幸い、試作に使用したHamnmondのケースはデザインもよくサービス性に優れていて、代替のケースとして申し分のない素材であった。 

MFG_1455N2201RD.jpg

特に、試験専用筐体として開発した個体にはバックパネルを装備していて、これによって以前の閉鎖的な開発環境では到底考えられなかった試みを手軽に行えるようになった。

IMG_7906.JPG

このケースは、内側に基板をスロット状に挿入できる構造で、その幅は丁度100mmとEagleの制限下で基盤をデザインするにはうってつけの仕様である。 基盤はスロットに複数枚を挿せるので、1枚に全てを実装する必然はなくなり、クロストークが危惧されるオシレーターやオーディオ的にノイズ源から分離すべき機能を別基盤にまとめることが可能になる。

ということで、現在50×100mmのサイズにMCU/Oscillator/Audioの各セクションを分離して実装する作業を行っている。 まず、MCU基盤についての基本仕様を説明すると、UIとの絡みから旧来の配置を維持しつつ、オーディオやオシレーターの機能を分離している。 

LaVoixskiHammondVer1.0.png

未だ動くかどうかわからないadat系の機能はこの基盤に残してあるが、専有面積はそれほどではなく不要であればチップを実装しなければよい。 adatの機能を実用化出来た場合も、不要なDACを搭載せずにコストを圧縮できる。 MCUからはピンアウトを可能なかぎり引き出して、新たな機能の拡張にも対応できるようにしている。

AudioBoardのDACには、転送速度が速くNOPの回数を極限まで減らしても動作する実績を買ってMAX5717を採用する。

LaVoixskiAudioBoard.png

タスク処理のボトルネックが発生する原因の一つにDACとの通信に専有される時間の影響があるため、使用するDACは可能な限り高速でハンドリングの手法が単純なものを選択する。 DACの分解能と速度はトレードオフの関係にあるが、MAX5717はそのバランスに優れた製品といえる。 ボードにはこのチップを4個実装する。

AudioBoardにはこの他、出力バッファー&ディストーション回路が搭載されているが、こちらも4回路分を用意した。 ただ、楽器の運用に関しては基本がステレオを1まとめとして考えているので、追加分の2chはサブチャンネル扱いとなるため、ステレオ版とは違った作法で信号を扱えるようにスイッチ回路に差別化を行っている。

最後にOscillatorBoardだが、これは試作版として2種類の基板を用意した。 

1枚目はバトラー型発振器で構成された2回路ペアを1枚の基盤にまとめたもので、PitchとVolumeは別基盤に完全に分離される。 

OSC1board.png>

もう一つはコルピッツ型発振器2ペア4回路を1枚の基板にまとめたもので、こちらはコンプリメンタリ・トランジスタを使ったICを使用するために発振回路の完全な分離を行わずボード一枚に機能を集約している。

OSC2board.png

で、話は全く変わってしまうが、いかにも借り物で長ったらしいOpenThereminOnTeensyからそろそろ楽器にまともな名称を付けたいのだが、今のところ思い付いているのはLaVoixskiというこれまた発音し難そうなもの。 
本当に定着出来るのかどうか甚だ怪しいが、暫くはこの名称を使っていこう。
posted by Yasuski at 03:52| AudioElectronics